戸建て賃貸をしていますが、賃借人が買いたいと言ってきました

戸建て賃貸をしていますが、賃借人が買いたいと言ってきました
所有している戸建て賃貸物件の賃借人から家を買いたいとの申し出がありました。応じてもいいのでしょうか。値段はどの程度提示すればいいのでしょうか。また取引に際しての注意点はありますか。
目次

賃借人が買い取りたい申し出があるのは珍しいケース

もともと、今の家に入居される際に、購入することを選ばず、賃借することを選ばれた方です。賃借を選択した理由にもよりますが、買うことができないから借りている方は多いです。

そもそも、貸家を買うという発想をする方が少ない

貸すための家という固定概念があり、買おうと思いつくということは、借主は頭が柔軟な方であり、不動産に対してもある程度の経験があるのではないかなと思います。

「新築に住みたい」というキラキラした夢をもってなくお金に冷静

貸家を買い取ったからと言って、権利関係が変わるだけで生活は全く変わりません。「新築に住みたい」ことはできず、「リフォームしてピカピカに生まれ変わらせたい」ということも家財があるため簡単にはできません。そんな中、借家人の将来のことを考えて買い取りを申し出ているということは、相当お金に対しての判断力をもっている冷静な方だと思われます。

価格の折り合いがつくなら積極的に取引していい

一旦は持ち帰り、初期提示価格と最終防衛価格を決めよう

借主から提案されているのであれば、比較的貸主側が有利に話を始めることができます。一旦は、具体的な金額の話は避け、積極的に検討すると返事して持ち帰りましょう。初期提示価格と最終防衛価格を収益性や再取得する見通しを考えて決めていきましょう。

同様の築古戸建てを購入する際に必要な金額と諸経費+αを考える

この際注意するのは、以前の購入価格はいくらか、原状回復費用はいくらかは関係ないということです。再度購入した際に、現在よりも収益性があがっていればいいと判断しましょう。
同じような物件を再度購入する際、売り買いの往復の手数料の約10%と次に家賃が入るまでの機会損失分は最低防衛価格に含めましょう。それにプラスアルファの価格をのせた分を初期提示価格とします。
例えば、貸家が利回り12%500万円の物件価格が相場であった場合、最低防衛価格は600万円、初期提示価格は700万円くらいでスタートしてみてはいかがてしょうか。

最初の値段提示は、言い出したほうが出す

値段交渉をする際は、さきに申し出たほうが具体的な値段をだします。相場をよくわかっていない借主である可能性もあり、上記例で800万円と提示された場合は、(多少、考えたふりをして)交渉を成立させましょう。
逆に、500万円未満の話にならない金額を提示してきた場合は、貸主側は売るメリットは全くないため、関係を悪化させないためにも、即座に切り上げたほうがいいでしょう。
600万円以上700万円に近づけるための根拠として、値段設定を考えた根拠もふくめて交渉していきます。

仲介業者は挟んでおいたほうがいい

価格が成立した場合、個人間売買を行うことは可能です。売買契約のひな形もありますし、司法書士に依頼さえすれば所有権移転作業も問題ありません。ただ、売却後に借主から「そんなことは知らされていない」というトラブルを防ぐためにも、仲介業者を挟んでおいたほうがいいです。仲介業者には事情を話して仲介手数料はある程度割引してもらえるよう交渉しましょう。

建物の状態は借主の方が詳しいが、法令上の制限については説明が必要

借主が入居した時の説明は賃貸借用の重要事項です。売買用の重要事項は、法令上の制限についてより詳しく説明する必要があります。借主は、あまり深く考えていない場合がありますので、仲介業者に改めて調査してもらい説明してもらうことで、取引後のトラブルを未然に防ぐことができます。

住宅ローンを利用する場合は、銀行が直接取引を認めない場合が多い

銀行はトラブルを極力避けたいので、素人同士の直接取引には寛容ではありません。借主が住宅ローンを利用する場合は直接取引は難しいと考えましょう。

売買取引は申し出を受けるほうが有利に進められるため積極的に対応しよう

賃借人からの売買取引の申し出は珍しいケースですが、自身の不動産経営をより有利に進めることができるのであれば、積極的に対応することをお勧めします。

お役立ちいただきましたら、SNSのフォローをよろしくお願いします。

分譲貸しマンション、戸建て賃貸の売り方5選
オーナーチェンジ物件で、キャピタルねらいの手法を教えます。
収益物件を売るタイミング8選

賃貸中のマンション・戸建てを賃借人に売却する方法

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる