不動産投資の出口戦略の考え方5選

不動産投資の出口戦略の考え方5選
収益物件を購入するとき「最後の売却のイメージ=出口戦略 をもつことが大切」と言われていますが、出口戦略をどのように考えていけばいいのでしょうか?
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出口戦略の考え方5選

売却しない

 出口戦略の考え方の1つ目が「売却しない」では、戦略にはならないかもしれませんが、最も個人の不動産投資家が利益を上げる方法は「良い物件を購入して満室経営を続けること」です。

売却益がとれても満室経営より優位になることは少ない

 現金で物件を購入して、購入価格から3割値上げして売却した場合でも、往復の諸経費は合わせて1割以上になります。2割の売却益を手に入れたとして、もし実質利回り5%で満室経営を続けていれば4年でも運用益をあげることが可能なのです。
 私たちは宅建業者ではありませんので、不動産売買の反復継続(売買を繰り返すこと)はできません。また、3割増しで物件が売るためには、収益性の高い物件を購入するよりも、相当安い値段で物件を購入する必要があります。売却益をねらうよりは、時間を味方につけて、家賃収入で運用益をあげていくほうが容易です。
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オーナーチェンジで売却

 それでも収益物件を売却する必要性があることもあります。その時の一番の方法はオーナーチェンジです。
 アパート経営にしても、戸建て賃貸にしても、賃貸経営に向いた建物を所有しているのですから、収益物件として売却する方法が最も自然です。

満室にして売却

 収益物件の一番の魅力は家賃収入があることです。それが最大化されている満室状態にして売却することが一番高値で売る方法です。
 ただし、戸建て賃貸や区分マンションの分譲賃貸については、空室にして売却したほうが高値で売れることがあるので要注意です。
オーナーチェンジ物件で、キャピタルねらいの手法を教えます。

外壁塗装をして売却

 物件の第一印象はとても大切です。築40年を越えるボロアパートでも、外壁をシックな色で塗装されていると印象はとてもいいです。規模が大きく古い建物ほど、外壁塗装による費用対効果は上がります。より「高く」より「早く」売るために積極的に検討したほうがいいでしょう。

空室は原状回復して売却

 満室で売却することが望ましいですが、空室がある場合は原状回復をしたほうが買主は安心できます。特に古い建物の場合だと、買主は原状回復費を高めに見積もらなければいけないため値段交渉を極力避けるためには、原状回復工事はしておく必要はあると思います。また、原状回復しないまま放置するというのは、そもそも不動産経営の姿勢としては良くないものであると思います。

売りたくなくなるような状態にしてから売却する

 満室になり外壁塗装をすると、物件の魅力を引き上がり、売却したくなくなってきます。その結果売却せずに持ち続けることも大きな選択肢であると思います。

全部空室で売却

 全部空室になっていることで、既存の建物利用以外の用途で購入してくれる層に期待が持てます。基本的には建物を解体して土地の再利用を目的としている方です。改めて収益物件を建築する場合もあるでしょうし、分譲して建売住宅を販売する場合もあるでしょう。ただし、その場合は業者に売却することになるので、販売価格が抑えられることもあると思います。
 再生アパート手法で成功されている不動産投資家が一定層います。ただし、そういう方は、極端に安く仕入れて、満室にして保有するか高値で売却する方ですので、買いたたかれることは覚悟したほうがいいです。

立退き交渉は費用と労力がかかる

 入居率3割など、中途半端な状況が一番売りづらいです。いくら建物が古くても、それを正当事由として賃借人を立ち退かせることは非常に難しいです。原則として賃借人の厚意により退去していただくことになりますので、立退き料は必要になります。交渉事ですので相場はありませんが、0円で立ち退いていただけることもあれば、裁判になり200万円以上の立退き料を支払うこともあります。
 大手のアパート建築メーカーは、古アパートを取り壊して新築アパートを建築する際、立退き料の予算として100万円/戸を確保しているといわれています。

更地で売却

 全部空室になった場合は、更地にしたほうが売却はしやすいと思います。不動産投資家以外にも、建築業者や新規事業を考えている事業主の目にとまることが増えます。解体費の見積もりとしては木造で4万円/坪くらいが標準ではありますが、時代の流れで値上がりしていく傾向があります。

建物を建築して売却

新築アパートを建築して販売する方法もあります。しかし、建築費を抑えることができるノウハウをもっていない一般投資家は、建築費が大きく経費倒れになることが多く、自ら建築することはお勧めしません。

不動産投資家の強みをいかした出口戦略は

時間を味方にできる

 株式の機関投資家のように、期間ごとの運用益ノルマを厳しく課せられているわけではありません。時間を味方につけて家賃収入でコツコツと運用益を積み重ねることができるのが、インカムゲインをねらう不動産投資家の一番の強みです。

入居者募集に慣れている

 新築アパート建築など、大掛かりな建築費を費やす事業は、宅建業者に比べて機会が少なく、個人の不動産投資家には不利な手法です。個人の不動産投資家が最も得意としているのは、「原状回復して入居者を決める」ことですので、その強みを発揮できる、「満室にしてオーナーチェンジ」が「売らない」ことに続く出口戦略であると考えます。

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