
仲介業者も決めましたし販売価格も決めましたから、あとは待っていればいいですね



いえいえ、ここまでは準備段階です。高く売るための仕上げとしては、ここからもとても重要です。最後まで気を抜けません
皆さんこんにちは。たくです。
物件を高く売るためには、リスクにあった売り方を選んで、相場を理解した上で、販売価格を決めることが重要であることを学びました。





けど、販売価格も決めたから、ここからできることはほとんどないんじゃないのかな?



ここからは、最大の山場である値段交渉が待っているんだよ。心構えをしっかり教えていくよ
今回は、物件をより高く売るためにはどうすればいい?~値段交渉にはこのように対応しよう~という内容で記事を書いていこうと思います。
- まずは自分で査定しよう
- 信頼できる業者を選ぼう
- 信頼できる業者がいない場合は、相見積もりをしよう
- リスクにあった売り方を選んで販売価格を決めよう
- 値段交渉には、このように対応しよう(今回の記事)
ぜひ、最後まで読んでもらって物件を高く売るための知識をつけていってくださいね。
販売から引き渡しまでの流れを理解しよう
まずは、値段交渉に対する心構えの前に、販売開始以降の流れについて説明していきます。
販売開始から引き渡しまでの流れは以下のようなものになります。
専任媒介契約の場合は契約の翌日から7日以内に登録されます。
一般媒介契約の場合は任意です。
買付証明は「購入の意思」を売主に伝えるものです。法的拘束力はありません。買付申込書、買受証明書、購入申込書と同義です。
手付金を受け取ります。解約する場合は原則ペナルティがあります。
住宅ローン、アパートローンを利用する場合は、承認されるまで待ちます。ローン特約を結んでいた場合、否認されればペナルティなしで白紙に戻ります。
残金が決済がされ、不動産の名義が変更されます。
おおよそ必要な期間としては
販売開始から買付証明の受け取りまで1~3か月
買付証明の受け取りから残金決済・引き渡しまで1~2か月ほどかかります。



売れるまでには、長い時間がかかるんだね



そうだね。半年以上の余裕を見ることで、相場どおりの値段で売却できることにつながるんだよ
それでは、それぞれの段階ごとに気を付けることを学んでいきましょう。
買付証明を受け取る前に気を付けること
販売開始直後から、他社からの問合せがあります。
しかし、これは具体的に買主がいるからというわけではなく、他社が買主に紹介することが可能か、まだ売れていないかということを確認する目的のものがほとんどです。



ぬか喜びしちゃだめ!
自分で決めた販売価格が高めか低めかを忘れないようにしよう
自分で査定した結果や、業者の査定額などから、自分が決めた販売価格が相場と比べてどの程度高いのかということがつかめているはずです。
その感覚を常に忘れないようにしましょう。


上記記事の「売主側の相場と買主側の相場のギャップを認識しよう」という所を、よければもう一度読んでみてください。
人と言うのは不思議なもので、値段を決めた時は高めだと自覚していても、いざ販売を始めると、自分が決めた値段で売らないと損したような気持ちになります



自分で高めの値段とわかっていても、値段交渉がはいると忘れちゃうの?



自分が決めた値段が基準になってしまって相場を忘れてしまうんだね
譲歩できるラインをあらかじめ決めよう
ここで、譲歩する根拠は、相場より高いから譲歩するというように考えましょう。
よくおちいるのが、相場を無視した、売主の都合で譲歩できるラインを決めてしまうことです。
例えば、
「ローンを完済できる値段で売りたい」
「買った時の値段以上で売りたい」
「過去のリフォーム費用は取り戻したい」
などは、売主の都合であり、買主にとっては関係のない話です。
ですので、このようなこだわりは、取引をスムーズに進めるためには考えないほうがいいです。
また
「相続(贈与)でもらったものだから安くてもいい」
などは、早く売れることにはつながりますが、受け継いだ大切な財産を生かすという意味では、もったいない話です。



買う側が安く買うコツとして「相続や贈与で取得した物件をねらえ」というものがあるよ
譲歩できるラインは信頼できる仲介業者にも言わない
販売活動が始まると、他社から「どの程度まで値引き可能ですか」という問い合わせがきます。
その結果、元付業者から上記の質問がくるのですが、自分の心の中では譲歩できるラインは決めるべきですが、たとえ信頼できる仲介業者でも、それを言ってはいけません。
元付業者は信頼できても、買付業者は信頼できないからです。言ってしまえば譲歩できるラインでの買付証明しか来なくなります。



なんか殺伐とした世界だね!やっぱり不動産の世界は怖い



人の口に戸は立てられぬというからね
「いくらまでなら値引き可能ですか」
「ローン返済ができる範囲であれば売却可能ですか」
というような問い合わせが来ても、
→ 「買付証明をもらってから判断します」と答えましょう
買付証明がこない時に気を付けること



一番気になることなんですが、売れないときはどうしたらいいんですか



ここが一番大切なところなんだよ。信頼できる業者を選んでいれば対応できるよ
どの段階で商談が進まないのか、反響を客観的数字を聞いて分析しましょう
判断基準とその対策
他社からの問い合わせ件数
都市部で10件/月以上、郊外で6件/月以上
基準以上の問い合わせがある場合は様子を見る。
半分にも満たない場合は、ネットの「一覧部分」にのる情報を見直す。
絶対的な値段が高い可能性があるので、値段の見直しをしましょう。
販売から時間がたちすぎていることが原因の場合もあります。
買主から元付業者への問い合わせ件数
気にしなくていいです。レインズを活用することが最重要ですので元付業者の販売能力は参考程度で構いません。
元付業者への問い合わせがあるにもかかわらず、他社からの問い合わせ少ない場合は、囲い込みを疑いましょう。
内見件数
都市部で5件/月以上、郊外で3件/月以上
基準以上の内見がある場合は様子を見ましょう。
半分も満たない場合は、ネットの「詳細部分」にのる情報を見直す事も必要です。
詳細情報を加味すると値段が高い可能性があります。
例えば、
- 間取りが合わない(特に収益物件の場合)
- 再建築不可など違法建築である
- 間取り図や屋内写真を掲載していない
- 写真の内容に問題がある
などが売れない理由として当てはまります。



売れないのには、ちゃんと理由がありそうですね。それを探る事が重要そうです!
内見件数があるのに買付証明がこない
このような場合は以下の4つに当てはまらないか、チェックしましょう。
- ネットにのる情報と、現状にギャップはないか
- 都合の悪いところを隠していないか
- 居住中の場合、家の中が雑然としていないか
- 近隣環境に問題がないか
例えば、
- 日当たりが悪い
- 匂いがする
- 雨漏り跡がある
- 外壁が傷んでいる
- ゴミ屋敷が近所にある
- 口うるさい人が近所にいる
上記のような要素があると「内見には来たものの、見るとあまりよくなかった」と感じられる事が多いです。



やっぱり、自分で色々やろうとするのではなく信頼できる業者に頼むということは大切なことなんだね



そうだよ、もう一度振り返って、今までの自分の進め方に問題がないか見直してみよう
買付証明がきた後に気を付けること



買付証明がきたらうれしいですね!!!!!!



そうですね。ただ大抵の場合は値段交渉が入りますので、値引きに応じるかどうかが難しいところです
これまでの販売期間や反響をみて、売る側も値引き交渉には、積極的に対応したほうがいいです。
一番最初に買付証明を送付してくれた人(=1番手の人)と成約できるように、売主側も歩み寄ったほうがいいです。
「一人いたんだから他にもいるはず」と考えてしまいがちですが、時間がたてばたつほど物件は「売れ残り」のレッテルを貼られ、買主の数は減っていきます。
1番手の人が一番購入意欲が高い人ですので、待てばもっといいひとが来るかもと欲をかかないほうがいいです。
すぐに買付証明か来た場合
譲歩できるラインを下回る回答をする必要はないですが、値引き交渉がある場合、気持ちだけ値引きすれば買主は納得してくれるケースは多いです。



5万円だけ値引きに応じる回答をしても、心情的に納得してくれる場合は多いです



5万でもでかい気がするけどな…不動産の世界は動く金額が大きいな…
1カ月経過している場合
譲歩できるラインを下回っている場合でも、1番手の方に歩み寄ったほうがいいです。
これまでの反響と、買付証明を受け取るまでにかかった期間を考えて、買主の提案を全て受け入れるか、値引き幅を若干譲歩してもらうのかは臨機応変な対応が必要です。
- 郊外で人口が少ない
- 極端に広い土地
- 極端に狭い土地
- 販売期間が2ヶ月を超えている
など、需要が少ないと思われる物件の場合であれば、買主の提案を受け入れたほうがいいでしょう。
ワンルームマンション投資のリカバリーによる売却などの場合は、債務超過の場合が多く、売却時に自己資金を入れる必要があると思いますが、それでも何とか資金を調達して、売却したほうがいいことが多いです。
最終的には、折り合いのついた価格が相場であると考えるようにしましょう。



やはり少しでも高く売ろうと考えると、やることが増えるということが分かりました。



ひとりだけ得をするということはできないけれど、相場どおりの取引をして、関係者全員が得をするように進められればいいですね
まとめ
今回は、物件をより高く売るためにするべきこととして、「値段交渉に対応する」方法をまとめてみました。
- 自分で決めた販売価格が高めか低めかを忘れないようにする
→ 高めに決めた場合は、大幅な値段交渉を想定する - 譲歩できるラインを相場をもとに決める
→ 売主都合の譲歩できるラインは、買主には関係なく通用しない - 買付証明をもらうまでは、具体的な値引きの回答をする必要はない
→ 回答すると、その値段が販売価格になる - 売れないときは、どの段階で商談が進まないのか、反響を客観的数字を聞いて分析する
→ やみくもに値下げせずに、原因に合わせて売り方を工夫する - 値段交渉には、状況に応じて柔軟に対応する
→ 売主の方が、基本的に立場が弱いことを自覚する



自分だけ得をしようと考えると、足元をすくわれてしまうんだね
より具体的に、売却の相談にのってほしい方は、ぜひたくの個別相談をご活用ください。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。
物件を高く売るためにはどうすればいい?は5部構成ですので、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
- まずは自分で査定しよう
- 信頼できる業者を選ぼう
- 信頼できる業者がいない場合は、相見積もりをしよう
- リスクにあった売り方を選んで販売価格を決めよう
- 値段交渉には、このように対応しよう(今回の記事)