繰上げ返済をするかどうかの判断基準3選

繰上げ返済をするかどうかの判断基準3選
アパートローンの繰り上げ返済をするかどうか悩んでいます。どういった基準で判断していけばいいでしょうか。
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繰上げ返済をするかどうかの判断基準3選

 不動産投資以外の収入が高い場合や、ある程度資金がたまっている場合、アパートローンの繰り上げ返済をするかどうかは、経営に関わる重要事項です。リスクをとって規模拡張をめざすのか、リスクを抑えて健全経営を目指すのかに強く影響します。繰り上げ返済をするかどうかの判断基準を3つ挙げますので、ご自身の経営指針に沿った具体的な判断基準の参考になればと思います。

所有物件の築年数が浅い場合

 新築や築浅など築年数が浅いアパートは比較的家賃水準が高いです。新築~築10年くらいは、比較的家賃の低下は微少で、築10~築20年くらいで、家賃の低下が本格的に始まります。築20~30年くらいで下落が加速し、築30年~また穏やかに低下します。
 ですので、築年数の浅い物件の場合、今、キャッシュフローがあっても将来の資金繰りの悪化に備えて、繰上げ返済して完済するか、築20年までには返済を終了するか、月々の返済額を減らすかの早めの対応をしておいたほうがいいと思います。
 具体的には、築20年未満の物件を所有している場合は、繰上げ返済を進めたほうがいいでしょう

イールドギャップが十分にとれていない場合

 アパートの実質利回りと銀行金利との差であるイールドギャップが十分な場合は、「銀行の金で経営して家賃をもらう」状態をどんどん作っていけます。しかし、長い年月の間、不動産投資は過熱しつづけ、収益物件の価格は上昇し利回りは低下しました。以前のようにイールドギャップを確保しつつ規模を拡大し続けるのは、非常に難しい状況です。ですので、規模拡大を図る場合も、アパートローンを完済してキャッシュフローが改善したのちに、次の物件を購入していくほうが、時間はかかりますが、失敗する可能性を排除した骨太経営であると思います。
 実際どの程度のイールドギャップをとれれば、繰上げ返済することなく、規模を拡大できるのかは、
「前提条件 築30年 融資割合80% 金利3% 15年で、表面利回り11%以上」と考えています。詳しくはシミュレーションしている記事があるので、参考にしてください。
レバレッジを効かせて規模を拡大し続けてもいい物件を考えてみた

銀行金利が高い場合

 銀行金利が高い場合も、繰上げ返済の対象になります。繰り上げ返済することで、安全に確実に銀行金利分の実質利回りを確保することができます。しかも、株式投資などで得た実質利回りには譲渡税がかかりますが、繰上げ返済で削減できた金利負担低下相当分には譲渡税はかかりません。ただし、金利負担低下による不動産所得増加には所得税がかかりますので、現在の自身の状況による判断が必要です。今の借入金利以上の運用実績を、不動産投資や株式投資で得られるかどうかというのが判断基準になります。
借入金利が2.0%以上であれば、繰上げ返済の対象になると考えます
 

自身の経営方針に合わせて、骨太経営を目指そう

 自己資本比率(自己資本と他人資本の比率)をどの程度に保つのかは、不動産投資家の経営方針によります。自身の年齢、家賃外収入額と収入の種類、自己資金額、法人か個人か、などで判断基準は異なってきますが、上記の考え方をもとにご自身の判断基準を設けて、骨太経営を目指すといいと思います。

運転資金は手元に残そう

 不動産投資で一番大切なことは、資金ショート(仕入れ代金の支払いや経費などの支払い資金の不足)しないことです。滞納や災害、自身の収入状況の変化があった場合でも、銀行への返済が滞らないように、一定以上の運転資金は残しておきましょう。

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