定期借家契約は家賃滞納対策にはならない
定期借家契約は、契約期間が満了すると、オーナーの希望で賃貸借契約を解除することができる契約形態です。従来の普通借家契約では、借主が希望する限り、契約期間が満了しても、オーナーの希望で賃貸借契約を解除することは原則できません。定期借家契約は、オーナーからの正当な事由がなくても解約できることはすばらしいですが、契約期間満了時のことであり、契約期間中については普通借家契約と同様にオーナーからの解約は難しいです。
家賃滞納による強制退去の手続きは普通借家契約と同じ
家賃滞納した場合は、普通借家契約と同様の手続きが必要です。長期間の家賃滞納実績があり、支払いの催促をしても賃借人に支払う意思がなく、お互いの信頼関係が損なわれている場合に、賃貸借契約の解約が認められます。
その後、明け渡し請求訴訟を起こし、強制執行の手続きをとります。
費用に関しては、強制執行まで行った場合、弁護士費用で40~50万円程度、裁判所などに支払う費用が40万円程度、保証料が別で50万円前後(返還されます)かかります。
また、定期借家契約の契約期間満了後も、居座られた場合も、強制退去させるためには上記と同様の手続きが必要です。
定期借家契約はどのような場合に有効なのか
一定期間後に、自宅として使用する予定がある場合
転勤や転職、退職などにより、一定期間後に自宅として使用する予定がある場合、それまでの土地活用としては非常に有効な手段です。
相続や贈与などで譲り受けた建物で、現在は売却できない
相続や贈与などで譲り受けたものの、親族からの目がありすぐに売却できない。という場合も検討してもいいと思います。戸建て賃貸の場合は入居期間が長期間にわたる場合が多いですので、3年~5年ごとに定期借家契約を締結し、更新時期の状況により、売却するか定期借家契約を継続するか考えてもいいと思います。
定期借家契約は万能ではない
借地借家法による借主有利な状況から、定期借家契約は一石を投じていますが、全てが貸主有利にはたらく契約ではありません。契約満了時に解約できる利点を生かした利用をすることが重要です。
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